【インタビュー】新時代の大型守護神!U-19日本代表 萩 裕陽選手
2026/07/28

【インタビュー】新時代の大型守護神!U-19日本代表 萩 裕陽選手

 

2026年、Jリーグの舞台で次の飛躍を狙う若きゴールキーパーがいる。プロサッカー選手、萩 裕陽選手。ユースからトップチームへ上がり、U-19日本代表として2026 FIFAワールドカップ(2026W杯)の空気にも触れた大型守護神候補だ。

オンライン取材に応じてくれた萩選手は、終始飾らない言葉で、プロ生活の難しさ、A代表の基準、ライバルへの意識、そしてゴールキーパーグローブへのこだわりを語った。少し照れながらも、言葉の奥には確かな熱がある。所属クラブでの厚いGK陣の中で、彼はいま何を見ているのか。


「考えることが増えた」プロの強度と、頭の疲労

今はキャンプ中とのことですが、チームの状態はどうですか?

萩:今日もトレーニングマッチがあったんですけど、スタメンの方々はやっぱりレベルが高いですし、完成度も高いと思います。自分はまだまだ苦しみながらというか、いろいろ考えることが多いですね。

所属クラブは、Jリーグの中でもキーパーの選手層がかなり厚いですよね。

萩:そうですね。Jリーグの中でも高い方だと思いますね。今日もトレーニングマッチがあったのですが、シュミット選手はシュートを多く止めていましたし、ピサノ君はフィードのところでビルドアップに貢献していた。人それぞれから得るものは結構多いです。

ユース時代と比べて、プロのトレーニングは違いますか?

萩:強度は全然違います。今のサッカーのやり方もあると思うんですけど、キーパーも考えることが多い。その中で自分はまだまだ全然足りないので、他の選手より考える時間も長くなる。そこは結構疲れますね。ユースの時より、体もですが、頭も疲れる感覚があります。


U-19日本代表として見た、2026Wカップの基準

2026ワールドカップへの帯同はどうでしたか?

萩:やっぱり時差がきつかったのが一番です。あと、自分はお風呂が好きなので、湯舟がないのが結構きつかったですね。普段は練習場に来て風呂に入って、練習後も入って、家でも入るぐらいなんです。アメリカではバスルームがあっても腰ぐらいまでしかなくて、そこはストレスでした。

そこなんですね(笑)。でも、トップチームのトレーニングパートナーとしての経験は大きかったのでは?

萩:雰囲気も違いましたし、ワールドカップが始まる前の調整のトレーニングマッチ、始まった後のトレーニングマッチの姿も全然違いました。やっぱり意識が高い人がここに来るんだなと思いましたね。ひとつひとつの質が全部違いました。

U-19日本代表として現地で試合も経験しました。印象に残っている試合はありますか?

萩:一番はメキシコ戦です。こけら落としという形でスタジアムを使えたこともそうですし、試合会場には1万人ぐらい来ていたんじゃないかという雰囲気がありました。北中米やメキシコの基準、強さ、観客の熱量も日本とは違って楽しかったです。点が入ったら会場のライトが消えたり、点滅したり、演出も派手でした。


ライバル、ベンチ、そしてチャンスを待つ時間

若手のキーパー同士で交流はあるんですか?

萩:試合をする時に知り合いのキーパーが相手にいれば、連絡を取って話すことはあります。

ライバルとして意識している選手はいますか?

萩:やっぱり視野に入れているのは荒木選手(ガンバ大阪所属:荒木瑠偉選手)ですね。ユースの時もプレミアでやっていましたし、中学の時から面識があって仲はいいんですけど、今は上に行っている。そこは意識しています。

キーパーはなかなかチャンスが回ってこないポジションでもあります。ベンチにいる時は、どんな準備をしていますか?

萩:特別なことはしていないです。普通に周りの選手と一緒に体を動かして、ストレッチしてという感じです。出たい気持ちはありますけど、チームなので、出ている選手には怪我をしないでほしい気持ちもあります。いつチャンスが回ってくるかわからないので、いつでも出られる気持ちではいます。


「止められない」から「楽しくなる」へ

プロとしての半年を振り返ると、どんな時間でしたか?

萩:最初にトップチームへ上がって、改めてプロのうまさに圧倒されました。ユースの中では自分も上の方にいたと思っていたし、代表にも行っていた。でもトップチームの先輩方のシュートを受けたら、全然止めることができなかったんです。

それは苦しいですね。

萩:2、3月ぐらいは、練習もあまりしたくないなという気持ちがありました。少しくじけそうだったんですけど、逆にこれが止められるようになったら楽しくなるだろうなと考えました。今のサッカーは難しいですけど、順応できたら見え方も変わると思いますし、どこへ行ってもすぐ順応できると思うので。

プロの試合の雰囲気で、気持ちが変わった部分もありましたか?

萩:長崎戦でベンチ入りさせてもらった時、アウェイに駆けつけてくださるファンやサポーターの声援を聞いて、本当にピッチに立ってプレーしたいという思いが強くなりました。応援する側から応援される側になって気づくことがありました。


参考にするGKと、ミスの後に自分へかける言葉

好きで参考にしているキーパーはいますか?

萩:ケパとかラムズデールは結構プレー集を見ていました。自分のタイプ的に、冷静で落ち着いてプレーするタイプではなくて、本能というか、アグレッシブにやる方だったので。ケパやラムズデールのプレーを見ると、アグレッシブでダイナミックだったので、そっちの方が好きだなと思っていました。今回のワールドカップだと、アルゼンチンのマルティネスですかね。ああいう少しやんちゃなタイプも結構好きです。

キーパーは自分のミスが失点に直結することもあります。ミスをした後の切り替えはどうしていますか?

萩:自分もユースの時はうまく切り替えられない時が多かったです。引きずる時もありました。でもミスをしても、自分を信じるじゃないですけど、「落ち着いてやればできる」「自分なら大丈夫」「やれる、やれる」と、自分に独り言のように言い聞かせるようにしています。自分を励ます言葉をかけて、ポジティブに持っていくことはよくやっていました。


26/27シーズン。「ベンチ入り」と「自分のセービングで勝ち点を」

次の26/27シーズンに向けて、目標はありますか?

萩:1年を通して、まずはベンチ入りをすることです。天皇杯やルヴァンカップで試合に出ることも目標にしています。

JリーグのU-21リーグも始まりますよね。

萩:U-21がメインになるかもしれないですけど、公式戦なのは変わらない。勝ちたいですし、自分のセービングでチームを救って、勝ち点を取れるキーパーになっていけたらいいなと思っています。


グローブ選びのリアル。「指先はタイト、でもパームは大きい」

ここから話題は、ゴールキーパーにとってもうひとつの相棒とも言えるグローブへ。ただの道具紹介ではない。萩選手の言葉には、実際にトップレベルの環境で使用する選手だからこその視点があった。

エリートのグローブを最初に知ったきっかけは?

萩:高校2年生のキャンプの時に杉本大地選手がいて、大地選手がエリートを使い出していたんです。個体差があるとは聞いていたんですけど、それでもいいと言っていたので、トップに上がるタイミングで使ってみようと思いました。

今使っている「レボリューション」はどうですか?

萩:人それぞれだと思うんですけど、個体差にすごく繊細な人は気になるかもしれません。自分は感覚的に少し鈍感な方なので(笑)。でもフィットしますし、中指と薬指のところがタイトめでやりやすい。それでいてパームが結構大きくて厚いので、ボールをしっかりホールドできる。とても使いやすいです。

どんな選手におすすめできそうですか?

萩:グリップ力があるので、キャッチが少し苦手な人は補える部分があると思います。あと、他メーカーの薄いパームが苦手な人にはおすすめかなと思います。エリートは頑丈な作りもありますし、何個か買って使い回せば長い期間グリップ力をキープできると思います。


全国のゴールキーパーへ。「天狗にならず、楽しむこと」

プロを目指している全国のゴールキーパーたちに、言葉をいただけますか?

萩:高校の時も意識して続けていたのは、天狗にならないことです。天狗になってしまうと成長もなくなってしまう。常に自分よりうまい人を見ておくことが大事だと思います。高1の時はピサノ君が先輩にいましたし、他のチームのうまい選手も知っていた。高校3年の時も荒木選手の存在があって、自分よりうまい選手を知っていたので、天狗にならずにいられました。

もうひとつ挙げるなら?

萩:サッカーを楽しむことが一番だと思います。嫌々やっていても成長はしないと思うので、楽しんで、楽しく真面目にやる。それが一番成長を感じられるんじゃないかなと思います。キーパーに関しては、怖がらないことも大事です。怖さは越えていくしかないですね。

トップチームで日々プロの基準を浴び、U-19日本代表として2026W杯の熱を知り、Jリーグクラブの分厚いGK競争の中でチャンスを待つ。萩 裕陽選手は、自分がまだ完成していないことを隠さない。ただ、その未完成さを前に進む力へ変えようとしている。

「できるようになったら、楽しくなる」

その言葉は、ゴール前に立つ若き守護神の現在地そのものだ。